経済的自由への道のりは、人それぞれが抱える状況や価値観によって異なります。しかし、共通して言えるのは、経済的な知識を深め、具体的な行動計画を立てることが重要だということです。
経済的自由とは?
経済的自由とは、お金に振り回されず、自分の人生を主体的に選択できる状態です。具体的には、以下の要素を含みます。
- 収入の安定化
複数の収入源を持つ、副業を行うなど、収入の安定化を図る。 - 支出の最適化
必要なものとそうでないものを明確にし、無駄な支出を減らす。 - 資産形成
投資や不動産など、将来の収入源となる資産を築く。 - 負債の削減
借金やクレジットカードの利用を控えるなど、負債を減らす。 - 時間的な自由
金銭的な余裕によって、時間的な自由を獲得する。
経済的自由は、単にお金をたくさん稼ぐことではありません。
自分の人生を主体的に生きるための重要な要素の一つです。経済的自由を実現するために、ぜひ一歩踏み出してみてください。
FIRE資産目標額の目安
FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すにあたってFIREの目標額は、人によって大きく異なります。目的にそって自分の必要な金額の目安を見極めましょう。
4%ルールとは?
4%ルールは、退職後の生活費を年間4%以内に抑えれば、インフレを考慮しても資産が尽きにくいという考え方に基づいています。つまり、「現在の年間支出 ÷ 0.04」で必要な資産額を算出することができます。
例えば、年間300万円の生活費がかかる場合、
必要な資産額:300万円 ÷ 0.04 = 7,500万円が目標額となります。
つまり、7,500万円の資産があれば、年間300万円を生活費として引き出しつつ、資産が尽きるリスクを低く抑えられるという計算になります。
年間生活費 | 必要資産額 (4%ルール) |
300万円 | 7,500万円 |
400万円 | 1億円 |
500万円 | 1億2,500万円 |
年間支出の25倍とは?
4%ルールとほぼ同じ意味ですが、よりシンプルに「年間支出の25倍」と覚えておくこともできます。これは、算出した金額とほぼ同じになるからです。
4%ルールが生まれた背景
S&P500 *というアメリカの代表的な株価指数があります。S&P500は、アメリカの大型企業500社の株価の動きを示す指数で、長年にわたって安定した成長を続けてきました。
歴史的に見ると、S&P500は年平均7%程度の高いリターンをもたらしてきました。インフレ率を考慮しても、年平均4%程度のプラスのリターンを出してきたというデータがあります。
*「S&P500」:「アメリカの主要企業の株価の動きを示す指標」
つまり、S&P500に投資していれば、インフレに打ち勝ちながら、毎年4%の金額を取り崩すことができるという考え方です。
目標額を決める際の注意点
支出の見直し
まずは、現在の支出を細かく見直し、本当に必要な支出なのかを見極めましょう。固定費や変動費をリストアップし、削減できる部分がないか検討してみましょう。
- 固定費の見直し
細かく洗い出し、不要な支出を徹底的に削減します。- 住居費
- 家賃: より家賃の安い物件への引っ越し、シェアハウスの検討、実家への同居など。
- 住宅ローン: 変動金利から固定金利への借り換え、繰り上げ返済など。
- 水道代: 節水器具の導入、シャワー時間の短縮など。
- 光熱費
- 電気代: 省エネ家電への買い替え、こまめな消灯、太陽光発電の導入など。
我が家では、エネチェンジなどのサービスで、複数の電力会社を比較し、自分に合ったプランを選んでいます。電気代を削減したいと考えている方は、活用するのも良いでしょう。 - ガス代: ガスコンロからIHクッキングヒーターへの変更、エコジョーズへの交換など。ガスについても複数のガス会社を比較してみるのも良いでしょう。
- 水道代: 節水シャワーヘッドの導入、食器洗い機の利用など。
- 電気代: 省エネ家電への買い替え、こまめな消灯、太陽光発電の導入など。
- 通信費
- 携帯電話: 格安SIMへの乗り換え、プランの見直し、不要なオプションの解約など。
- インターネット: プロバイダーの見直し、光回線からモバイルルーターへの切り替えなど。光回線では切り替え特典がなくても月々が2年目以降安くなるものなどもありますので検討してみるのも良いでしょう。
- 固定電話: IP電話への切り替え、または固定電話の解約など。
- 保険料
- 生命保険: 必要保障額の見直し、掛け捨て型の保険の見直しなど。そもそも貯蓄をしておけば生命保険そのものを解約してしまうのも良いでしょう。我が家はある程度貯蓄もあるので解約しています。
- 自動車保険: 免許証の等級を見直し、保険内容の見直しなど。
- 火災保険: 保険内容の見直し、特約の不要なものを見直すなど。賃貸であれば最低限の保障でよければ4000円程度のものもあります。不動産会社任せの保険よりもだいぶ割安になります。
- その他
- サブスクリプションサービス: 不要なサービスの解約、無料期間の活用など。
- 定期購入: 購入頻度や購入量の見直し、まとめ買いによる割引の活用など。
- 会費: スポーツジム、習い事など、本当に必要なものか見直す。
- 住居費
- 変動費の見直し
変動費についても、家計簿をつけたり、節約術を研究したりして、無駄を省きます。- 食費
- 外食の頻度を減らす: 自炊を心がけ、外食は特別な日にする。
- まとめ買い: 大量に購入することで、割引を受ける。
- 食品ロスを減らす: 食品の保存方法を見直し、無駄な買い物をしない。
- 節約レシピを研究: 材料費を抑えられるレシピを取り入れる。
- 交通費
- 公共交通機関の利用: 車の利用を控えて、公共交通機関を利用する。
- 定期券の有効活用: 定期券を購入することで、回数券よりもお得に利用できる。
- 徒歩や自転車の利用: 短い距離は徒歩や自転車で移動する。
- カーシェアリングの利用: 車を所有せず、必要な時にだけカーシェアリングを利用する。
- 娯楽費
- 無料のイベント: 公園でのピクニック、図書館の利用など、無料のイベントを楽しむ。
- サブスクリプションサービスの見直し: 不要なサービスは解約する。
- 趣味の費用を抑える: 中古品を購入したり、手作りしたりするなど、費用を抑える工夫をする。
- その他
- 日用品: 詰め替え用や大容量の商品を購入する。
- 服飾費: 必要最低限の服を長く着る、ファストファッションではなく質の良いものを購入する。
- 美容費: 自宅でできる美容ケアを取り入れる、美容院の頻度を減らす。
- 食費
インフレを考慮
インフレとは、一般的に物価が上昇すること、つまり、同じお金で買えるモノやサービスの量が減っていくことを指します。
将来的に物価が上昇する可能性を考慮し、目標額に少し余裕を持たせておくことも大切です。4%ルールは、インフレ率が一定であることを前提としています。しかし、現実にはインフレ率は毎年変動するため、より正確な計算が必要になります。
- インフレ率が変動した場合の考え方
- 4%ルールはあくまで目安
4%ルールは、長期的な平均的なインフレ率を基にしたものであり、毎年厳密に守る必要はありません。過去の株式市場の平均的なリターンに基づいて算出されたものです。また、各個人の資産状況、リスク許容度、ライフプランによって、最適な取り崩し率は異なります。 - 柔軟な対応
インフレ率が上昇した場合には、取り崩す金額を減らしたり、追加で資産を増やしたりするなどの対応が必要です。 - 定期的な見直し
定期的に資産状況とインフレ率を見直し、必要に応じて計画を修正することが重要です。
- 4%ルールはあくまで目安
- 具体的な対応策
- インフレ率の予測
経済ニュースや専門家の意見などを参考に、将来のインフレ率を予測します。正確に予測するのは難しいです。ただし、日本はすでにデフレから脱却し、インフレの状況に入っています。インフレ前提で目標額を決めるのが良いでしょう。 - 安全マージン
4%の取り崩し率に、追加で安全マージンを設けることで、インフレによる影響を緩和できます。通常はインフレ率を3%程度加味しているが、インフレ上昇分をさらに1〜2%上乗せして、3%や2%など、より低い割合で資産を取り崩すようにします。 - 資産配分
インフレに強い資産(株式、不動産など)を増やすことで、購買力を維持することができます。その他にも金やプラチナ、最近ではビットコインなどもインフレに強い資産とされています。金などは採掘上限、ビットコインは発行上限が決まっているため需要が増えれば価格が上昇する可能性があります。
- インフレ率の予測
インフレは、現金の価値を目減りさせ、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。インフレに備え、資産を守るためには、それぞれの資産の特性を理解し、自分に合った資産運用を行うことが大切です。
収入源の確保
リタイア後も、パートタイムの仕事や不動産収入など、追加の収入源を確保しておくことも有効です。
- 投資、不動産賃貸収入による収入
- 高配当株、債券、などへの投資を行い、配当金を得る。
- 不動産を購入し、賃貸することで安定的な収入を得る。
- 副業
- 自分のスキルや経験を活かして、オンラインでのコンサルティング、ブログ運営、プログラミングなど、様々な副業が考えられます。
- 事業
- 自分の好きなことや得意なことを活かして、小さなビジネスを始める。
収入源を確保するためのポイントしては、一つの収入源に頼らず、複数の収入源を持つことでリスクを分散させましょう。また、社会の変化に合わせて、新しいスキルを習得し続けることが重要です。
リスク許容度
投資にはリスクが伴います。リスク許容度に合わせて、安全性の高い資産からリスクの高い資産まで、バランス良くポートフォリオを組み立てることが重要です。
- メンタル
- 資産が大きく減るリスクに対して、どの程度耐えられるか。
- 短期的な損失に動揺せず、長期的な視点で投資を続けられるか。
- 年齢
- 若年層は、長期的な視点で高リスク・高リターン型の資産に投資することも可能です。
- 年齢を重ねるにつれて、安定性を重視し、低リスク・低リターン型の資産にシフトしていくことも考えられます。
- 現在の資産状況
- 現在の資産が、目標とするFIRE達成額に対してどの程度か。
- どれくらいの期間で目標達成を目指すか。
- 知識と経験
- 投資に関する知識や経験が豊富か。
- 専門家への相談が必要かどうか。
ライフプラン
子供の教育費や住宅購入など、将来の大きな支出を考慮した上で、目標額を設定しましょう。
- 子供の教育費
- 教育費のシミュレーション: 大学進学、留学など、考えられる教育費を具体的に算出します。
- 教育資金の積み立て: 学資保険、つみたてNISAなどを活用し、計画的に資金を積み立てます。
- 子供の将来の収入: 子供が将来働いて、一部の教育費を負担できる可能性も考慮します。
- 教育費以外の選択肢: 通信制高校、職業訓練校など、様々な選択肢を検討します。
- 住宅購入費
- 賃貸 vs. 持ち家: それぞれのメリット・デメリットを比較し、ライフスタイルに合った選択肢を選びます。
- 住宅ローンの種類: 固定金利型、変動金利型など、金利の変動リスクや返済計画を考慮して選びます。
- 頭金: 頭金の額によって、住宅ローンの金利や返済期間が大きく変わります。
- 不動産価格の変動: 不動産価格の変動リスクを考慮し、購入時期を検討します。
- 住居費以外の費用: 固定資産税、リフォーム費用など、住宅購入にかかるその他の費用も考慮します。
- 車の購入
- 公共交通機関の利用: 車の購入をせず、公共交通機関やシェアリングサービスを利用する。
- 中古車: 新車よりも価格が安く、維持費も抑えられます。
- コンパクトカー: 大きな車よりも維持費が安く、環境にも優しいです。
- カーシェアリング: 必要に応じてカーシェアリングを利用することで、車の維持費を抑えられます。
早期リタイア後の生活
リタイア後の生活レベルややりたいことを具体的にイメージし、それに必要な資金を算出しましょう。
- どの程度の生活水準を維持したいのか。
- 収入の変動にどの程度耐えられるか。
目標額達成のためのステップ
- 支出の可視化
家計簿アプリなどを活用して、支出を可視化し、無駄な支出を削減しましょう。 - 収入を増やす
副業や投資など、収入を増やす方法を検討しましょう。 - 資産運用
貯蓄だけでなく、投資も視野に入れ、資産を増やしましょう。 - 長期的な視点
FIREは短期的な目標ではなく、長期的な視点で取り組むことが大切です。
まとめ
FIREの目標額は、人によって異なります。まずは、自分のライフスタイルや価値観に合わせて、目標額を設定し、長期的な計画を立ててみましょう。
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